よく耳にする言葉ですよね。初めたころの気持ちを思い出してまた頑張ろう!そんな風に思っている方もいると思います。
実は、ちょっと意外な意味があります。
いつ生まれたか知ってますか?
この言葉がはじめて言われ出したのは室町時代にさかのぼるんです。
そしてこの言葉は誰が言ったものか知っていますか?
実は、能で有名な観阿弥・世阿弥親子の世阿弥だったんです。
能に世阿弥なんてギタリストに関係ねーだろ!
なんて声が聞こえてきそうですが、、
実は私たちのような音楽をする人にも学ぶべき点が非常にあるんです。
たとえばよくミュージシャンが現場に入った時などに言う「おはようございます」という言葉のルーツは歌舞伎の世界から来ています。
そして我々が良く行う「打ち合わせ」、あれも元々雅楽の音楽用語なんです。
ギタリストも芸術の世界にいる1人として、伝統芸能から長く伝わっている文化を無視するわけにはいきませんよね。
風姿花伝・花鏡
これも名前くらいは聞いた事があると思いますが、世阿弥が父観阿弥から受け継いだ教えを基に長年かけて完成させた能の理論書です。
風姿花伝には能の学習者の年齢別に応じた心構えがありました。
その中で24~5歳の青年になった人にこういった言葉が書かれています。
この年齢の頃は、大人になってある程度の舞を舞えるようになる。
周りの人間が褒めてくれたり、まぐれで名人に勝ったとする。しかし、それは思い込みであり”真実の花”には程遠いのだ。
その”花”を得たと勘違いしていい気になっているとはあさましい事である。
そういう時こそ初心を忘れず稽古に励まなければならない。
初心の本当の意味
つまり初心とは、芸が未熟という事です。
だから本当は、”初めた時の気持ち”と解釈すると少し違うんですね。
ギタリストの初心とは
例えば
・イングヴェイの曲が弾けるようになったから、俺は皆よりもうまいんだ
・リズムが良ければそれで問題なんてないから、スケールなんて知らなくていいや
何か出来るようになるのは良い事ですが、それで変な勘違いを起こす罠がたくさんあるんです。
周りの人も知らずに平気で言ってくる
「わっ!お前イングヴェイ弾けるんや!そしたらプロなれるんちゃう!」こう言われて、嬉しい気持ちになるのは良いでしょう。でもこれ大きなトラップ・ワードです。
早く弾けたら本当にプロになれるという全く根拠のない間違った法則を信じ込んでしまう人達が、実はたくさんいます。当然ながら、本当の上達の道ではありません。
ですので皆さんも、一度自分自身で確認してみましょう。これは上級者にでも言える事です。
初心ー芸の未熟な事を忘れず、練習に励みたいですね。
私も頑張ります。皆さんも頑張ってください。
一点注意!
自分が未熟だと知ると、どうも謙虚になってしまう…こんなこともよくあります。
でも自信をもつことは大切です。
ですから初心とは自信を失うという事ではありませんので勘違いしないでください。
謙虚な姿勢で成長を目指すのが初心、演奏には自信をもって臨んでください。
本日の締め
・初心忘るべからず、というのは能から由来していて”芸が未熟な事を忘れないように”という意味です。
・自分自身からも周りからも、勘違いを引き起こすような事がやってきます。でも、初心を忘れないようにして上達へ進みましょう
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2018.9.22
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